第5話 ハノイに点在する謎のピンクネオン

12月 21, 2020

見てはいけないホントのアオザイ娘


〜第5話 ハノイに点在する謎のピンクネオン〜

このページを開いたハノイに行ったことのある人なら、もう知っているだろう。街中のポツポツとみかける怪しいピンク色のネオンを放つ謎の店。
気にはなるが、店先にはベトナム人の男が立っていたり、店の風貌も外国人をよせつけない、ベトナム語でかかれた看板のみのローカルの作りになっているため、一体何なのか知らない日本人は多くいると思う。数多くのベトナム文化を体験してきたが、実はこのピンクネオンの店の中を知ったのは、私も一番最近の話である。

この店を訪れたきっかけは本当に偶然であった。きっと共感してくれる方々は多くいてくれると思うが、単純な話、カラオケの女の子にデートをすっぽ抜かされたのである。理由はお決まりの「ふるさとに帰る」である。事前に連絡をしろよと怒りたくなるが、そこでストレスが溜まるようならまだまだ初心者レベルである。真のベトナム夜遊び人ならば、ここで今日は他の子と飲める!とか、VIPマッサージに行こう!とか、むしろ特定の女の子からの縛りから解放されてラッキーとか思っちゃったりする。
(事実、お気に入りの女の子が出来ると、日本では考えられないくらい束縛されるので、遊びでなく自由恋愛したい方は慎重に。)

そういう訳で思わぬフリータイムを手にした私は、久しぶりにVIPマッサージにでも行こうかとタクシーを捕まえたのだが、ふと近くにピンクネオンの光が。
そして店先に男もいなく、入りやすい。

私は何かを感じた。

(これってもしかして絶好のチャンスじゃないか?)

さすがにベトナム滞在5年目。ある程度ベトナム語はしゃべれる。自己防衛方法もわきまえている。風貌も綺麗めではなく、うまくいけばベトナム人として見られる可能性は十分にあった。そして私は店の中に足を踏み入れる。

「Anh là người nhật à?」(日本人か?)

・・・。
店に入って3秒で見破られる。

「Uhm」(そうだ)

偉そうに白状した私はエライと思う。

とにかく現れたのは30代半ばの中年女性。事実のままを書こうと思う。私が見る限り「美人ではない」。が、その時の私にとっては重要ではなかった。とにかくこの先に何があるのか知りたかったのだ。内容はともかく、知識欲にかられて、すでに後戻り出来ない私の脳は、アドレナリンを大量に吐き出していたと思う。
女性に招かれ、中に入ると奥にさらに二人の女性がいた。夕方というのもあり、二人はテレビを見ながら、食事をしていた。中は、病院で使うような簡単な布製の仕切りが、部屋を3つに隔て、その一つ一つの空間には、これまた診察台のようなパイプ製のシングルベッドが置いてあるだけだった。

内心、焦り気味の気持ちを抑え、わたしは冷静に値段を聞く。すると女性は、少し考えた後に20万ドンだと答えた。わたしの経験からすると、外国人に20万ドンと言うときは、実際は7、8万ドンが相場の場合が多いのだが、法外な値段ではないことを確認出来たので値切りはしなかった。するにも何をするのか分からなかったし、むしろ予想してた値段より安かったので、単なる健全なマッサージかもと思ったくらいだった。

が、そこはやはりピンクネオンだった。ベッドに座らされるや否や、中年女性はいきなり私のベルトを外しだす。いきなりのことだったので、私は女性の手を静止し、どうせならばと他の女性はいるのかと訪ねてみる。すると先ほど食事をしていた女性達が現れ、一人は対して最初と変わらない中年女性、だがもう一人は明らかに20代の女の子だった。しかしこの二人、私の中では完全にアウトだったので、かなり悩んだ結果、最初の中年女性をそのまま指名した。

気になる内容だが、

分かりやすくいえば日本で言うピンサロであった。マッサージスペシャル以上、ナイトクラブ以下といったところ。後に相手と少しだけ話をしたのだが、本番もありだが、この店ではもう一人の中年女性だけが可能だと教えてくれた。

値段は安く単純なシステムだが、女性のレベルは期待出来ない。そして病気のリスクも非常に高い。何よりも違法である。

追記をするが、数日後、わたしが同じ道を通っているところ、警察官が隠れるようにピンクネオン通りを見張っているのを見かけた。それに気付いた店の女性達は慌ててシャッターを閉めているのだが、いくつか気付かない店もあり、ちょうどその時一軒の店に客が入っていくのが見えた。もちろん警察官はそれを見逃さず、何やら携帯電話で連絡を取っていた。
私はそのまま通り過ぎたが、おそらくあの客は何も知らずにお楽しみの最中。天国から地獄へ落ちるような感覚を想像すると、なんともツいてない男とも思えた。が、タイミングが悪ければ、私がこうなっていたかもしれないということを想像すると、ゾッとし、もう一度行きたい気持ちにはならなかった・・・。

[第5話 ハノイに点在する謎のピンクネオン 終わり]


あとがき
ベトカラでは売春・風俗を推奨していません。ベトナムでは風俗営業が禁止されておりますのでご注意下さい。

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